滑り止め施工シーン

2021年12月10日

【施設担当者様へ】避難時の二次災害対策はできていますか?

【施設担当者様へ】避難時の二次災害対策はできていますか?

昨今、日本各地が大規模な災害に見舞われていることもあり、ニュースなどの情報番組で防災について取り上げられることが多くなりました。

とくに地震は事前に予知することが難しく、火災や津波、避難時の転倒などの二次災害をもたらすことも多いです。

そのなかでも東日本大震災の10倍超の被害をもたらすと予想されている巨大地震「南海トラフ地震」は、30年以内に70~80%の確率で発生すると政府の地震調査委員会が発表しています。

これからの時代、施設管理者は建築物や施設内の整備をするだけではなく、従業員の命を守るための施策を行わなければなりません。

この記事では労災のリスクを減らし、緊急時でも施設内の人間が安全に避難できるような「二次災害対策」をお伝えします。

災害発生時、安全に避難するために必要なこと

地震や火災などの災害発生時には、急いで避難しようとするあまり「滑って転倒してしまう」ケースが多くなっています。

勤務中であれば労働災害に該当するため、施設管理者は”もしも”のときに備えて滑り止め対策をしておかなければなりません。

滑り止め対策と言っても方法は様々ですが、代表的なものは下記の3つです。

なかでも金属を扱う工場などでは、加工時に油が床に飛び散って滑りやすくなっているので、高い耐久性と防滑性を持つ滑り止め対策がおすすめです。

工場・施設で滑って転倒した事例3つご紹介

「施設賠償」という言葉はご存知かと思いますが、今回は「滑って転んだ結果、施設賠償が発生」した事例を3つご紹介します。

バラエティー番組などで取り上げられているものと違い、「笑えない」訴訟および判例が発生しているので、一度目を通してみてください。

コンビニエンスストア店内転倒事故(2001年7月)

コンビニチェーン店Yに加盟するAさん(店舗経営者)の経営する店舗で、昼前にXさん(22歳の女性)が両手にパンと牛乳を持ってレジに向かう途中に足を滑らせて転倒。Xさんは陳列棚の端で左腕の肘から上腕にかけて、一部筋組織に達する左上腕部ざめつそう挫滅創を受けたという怪我の状況。その際、床はモップでの水拭き後、乾拭きがされておらず濡れていた。

こちらはXさんがAさん(店舗経営者)ではなくコンビニチェーン店Y(フランチャイザー)に対して損害賠償を請求したという、「施設の間接的管理者」が訴えられた過去に無い判例となりました。

結果、統一的に仕様を定め、継続的に経営指導、技術援助をしているY(フランチャイザー)には、店舗経営者(フランチャイジー)がこのような安全確保義務を尽くすことができるように、店舗経営者を指導する義務が認められたとのことです。

商業ビル食堂街の通路での転倒事故(2001年判決)

JR池袋駅の駅ビルで転倒し、 骨折したのは通路に油類が付着していたためだとして、 埼玉県所沢市の主婦(69)が、駅ビル会社に 約2,600万円の賠償を求めた訴訟。東京地裁は約2,200万円の支払いを命じる判決を言い渡し、岡久幸治裁判官は「転倒事故は床に油や水などが付着し、 滑りやすくなっていたことが原因」と述べた。

主婦は転倒の際に左足を骨折し、左股関節の機能が失われる後遺症が残ったとのことで、治療費をはじめ、夫による介護費用、 主婦として十分な家事ができなくなった逸失利益や慰謝料などを含め、請求額の8割を超える賠償額が認められました。

餃子の王将での転倒事故(2012年11月)

事故が起こったのは、以前から滑りやすいと噂があった「餃子の王将 寝屋川店」。当時40代の女性客が家族を連れて店舗へ訪れ、席へ向かう途中に右足を滑らせて転倒。左ひざを骨折し、膝が曲げにくくなる障害が残った。女性側は、床に油が存在していたのは間違いないとし、運営会社があらかじめマットを敷くなど、店が滑りやすい床への対策を怠ったためだとして約2,500万円の損害賠償を求め訴訟を起こした。

■引用元:産経新聞 https://www.sankei.com/article/20150408-2WPDY4MKRFLOZDQXF6DUF2THA4/

王将側は、同店は防滑性の床材を使用し、従業員が毎日清掃して月1回は専門業者が床を洗浄していたと主張。また、転倒した箇所は油が飛び散るような場所でもなく過失はないと主張するが、最終的には王将側が被害者に解決金100万円を支払う内容で大阪地裁で和解しました。

転倒の防止対策について

工場や施設内での転倒を予防するためには、「ソフト面」と「ハード面」の両方から対策を行わなければなりません。

ソフト面

転倒防止におけるソフト対策は、防災教育などの災害対策です。

防災教育はハード対策と違って目に見えるものではありませんが、日頃から災害に関する情報を集める週間をつけ、非常階段の位置や避難場所を事前に把握しておくだけでも、緊急時に慌てることなく避難することができます。

直接転倒を予防するわけではありませんが、ソフト対策を取り入れることは、間接的に転倒防止対策をすることにつながります。

ハード面

転倒防止におけるハード対策は、工場や施設内の環境整備です。

具体的には滑り止め対策がこれにあたり、日頃から転倒しにくい環境を整えておくことで、緊急時に避難する際も転倒のリスクをグッと減らすことができます。

それなりの費用がかかるため、実施前にはしっかりと計画を練る必要がありますが、転倒の防止対策としてはソフト面よりはるかに優れていると言えるでしょう。

まとめ

工場や施設内にいる人達を災害時でも安全に避難させるためには、日頃から安全対策に目を向け”もしも”のときに備えておく必要があります。

など、滑り止め対策に関する不安や疑問があれば、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。二次災害ゼロの環境を整備するために、専門知識を持ったスタッフが真摯に対応させていただきます。

災害時に大きな被害を出さず、スムーズな救助活動を行うためにも、まずは施設内外の滑り止め対策を施し、足元の安全を確保しておきましょう。

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